多田統一の”研究所めぐり”

その4 東京海洋大学百周年記念資料館

 私がここを訪ねたのは、2010年の夏であった。この記念館は、東京都江東区越中島2-1-6にある。JR京葉線越中島」駅で下車、徒歩約1分の所にある。前身の東京商船大学の開学100周年を記念して、1978年に開館した。三段膨張蒸気往復動機関、交通艇用蒸気往復機関、焼玉機関、ズルサ―ディーゼル機関S20などの展示を見ることができた。何よりも、1874年に竣工した鉄船明治丸の屋外展示が興味深かった。ちょうど改修工事中で船内を見学することはできなかったが、資料館2階の休憩室から船体を観察することができた。わが国近代海運史の重要な場面で活躍し、1978年に国の重要文化財に指定された。2016年には明治丸記念館が竣工し、小中学生向けの体験学習も行なわれている。地元のNPO団体や大学OBが、積極的に運営を支えている点が注目される。現在、緊急事態宣言が発令されたことにより、休館となっている。(参考文献:多田統一「研究所めぐり 東京海洋大学百周年記念資料館」Vol.58 No.10、2010年10月)